ブログ

勉強会報告(令和5年7月1日)

人現会の創始者である前会長の伊東博先生は、今から50年前に、「おそらく“教育”というものは、人間にとって永遠に“挑戦”の対象となるものなのであろう。そして、こうした“挑戦”それ自体のなかにこそ、“教育”の真の意味があるのではなかろうか。」(『援助する教育』)と述べられました。その後、伊東先生なりの教育への挑戦が続き、やがてその挑戦は、「身心一如のニュー・カウンセリング」といったものに到りました。

 

「いま、自分のからだの感じは、いかがでしょうか?」

「いま、自分のからだのなかに動きを感じますか?」

「自分の呼吸が、毎回毎回、生まれては消えていく、動きを感じていますか?」

「自分の指先で、からだのリズムを感じていますか?」

…… …… (今回の実習での伊藤稔先生のインストラクションより)

 

私たち参加者は、このようなインストラクションを聞きながら、自分のからだが感じていること(経験していること)を内観していった。すなわち、自分の“いのち”におのずから生じてくる身体的・感覚的な気づき(Awareness)に耳を澄ませて集中していった。


これが、シャーロット・セルヴァーが世の中に弘めた「センサリー・アウェアネス」の実習である。また、それを受け継いだ伊東博先生の「ニュー・カウンセリング」の実習でもある。私たち人間が、頭(脳)に意識を集めることの多い日常生活に於いて、自分がどのように呼吸しているのか、ということに意識を向けて「からだの感じ」「からだの動き」「からだのリズム」といったことにより気づいていくこと。からだ全体へ意識を広げるだけではなく、“いのち”の深層にも気づいていくこと。それは、身心が静かな状態になり、「身心一如」の生き生きと研ぎ澄まされた“いのち”を実感することである。


私たちは、このような身心のおのずから然る感覚やハタラキ、すなわち、“いのち”の「自然にかえる」ことを求めて学習を続けている。


この日に行われた実習では、ある参加者から次のような感想が寄せられた。「呼吸を内観していくうちに、からだ全体が膨らんだりしぼんだりしていき、そのうちにからだが無くなったような感じになった。心臓の鼓動はいかがでしょうか?というインストラクションで、私は心臓がリズムカルに動いているのを感じ、そのあと、心臓だけあって、からだが消えてしまった感じになった。そして、呼吸がより自然になっていった。それがとても不思議に思えた。」


勉強会の後半では、小学校特別支援学級での実践報告があった。また、ある参加者からは、「私たちは何かを実践しているうちに気づいたら悟っていた、ということがある。一心でやっているときにふと気づくこと。また、私たちは宇宙の一部である、ということに気づくこと。」というような見識が紹介された。


その後、「人新世」といった話題が話し合われた。この言葉は、『ウィキペディア』によれば、「人類が地球の地質や生態系に与えた影響に注目して提案されている地質時代における現代を含む区分。人新世の特徴は、地球温暖化などの気候変動、大量絶滅による生物多様性の喪失、人工物質の増大、化石燃料の燃焼や核実験による堆積物の変化などがあり、人類の活動が原因とされる。」と紹介されている。


(対面4名、オンライン参加4名 計8名)

ホーム